一人3句で18人の54句。このブログに完全な句会報が求められているはずはないので、個人的な感想のみ。「秋刀魚」「秋灯(ともし)」が兼題で、他に自由な1句。
一刀の光拭いて秋刀魚焼く
トップの6点句。
鈍(にび)色の匕首(あいくち)呑んだか反(そ)るさんま
個人的には4点句のこちらの句のほうが好き。
前後して、特選は欠席投句だった。句集をいただいたことがある方だったが、この句会で点が取りやすい句を考えているかのようなのが、やや気になった。
もう一つ、この方が6点句。
秋ともし君は絵筆で蝶放つ
しゃれた句だが、「蝶」は春の季語と思い、個人的には採らなかった。
次のは5点句の、主宰者の句。昔、同人誌でお世話になった。
新涼や人間(ひと)の余白で眠ろうか
もう一人の新参の方が添削魔で、「涼新た」と始めるべきと。伝統俳句ではそうなのか。
特選の句も、「一刀の光を拭ふ秋刀魚かな」とすべき、と言っていたが、これではもはや添削でなく改作だろう。
さて、看板の山頭女(もちろん山頭火にあやかり)さんの句と思ったら図星の句が、3点句だが、次の句。
蟋蟀(こおろぎ)ややりすごすなりヒール音
蟋蟀とヒール音の組み合わせの新鮮さに、つなぎの動詞もいい感じと思った。
女優から、画家、シャンソン歌手など幅広くやっておられる。俳句の作風も、5年前とは違ってきた感じだ。現代俳句協会に入会の手はずを整えておられた。
で、次の4点句は、欠席投句だが、これも作者は図星だった。
カレンダーめくるひっかかっていた残暑
さてさて、マスターが橋本夢道を発表したのを覚えていた方の4点句。
殉教の地より戻りて秋刀魚焼く
「原爆の」であれば、採らせていただいたかもしれず。
いよいよ、キムテツの句。一つは零点句で、ここには挙げず。
ネタきれい自慢サンマ仕入れ来たね
きれいな好印象の句、と。
「来」がよけい、という意見に、回文だから、と主宰者が補足。
採ってくれた人は回文とは気づいていなかった(^.^)
うまい秋の日の気合い舞う
主宰者が、「この句に会うためにきょうはやって来た」と。
「おいしい、とも、上手ともとれる「うまい」。1点句とは予想せず」とも。
これが後の紹介のため、回文と気づいた人は増えた。まあ、回文が総スカンでなければよし^^;
で、1点句だが、キムテツの特選。
絵たよりの秋刀魚反り身に凛として
ここでの最後の句として。
別れて六年柿八年
採らせてもらった3点句。「別れて」が悲しみとは限らない気もするし。こういう句もあっていい。
来月も行きます。終わって数人以外はそのまま懇親会に。
句会の楽しみを改めて実感した(^.^)
以上、報告終わり。
【関連する記事】
なかむら句会の数名は存じ上げているので、雰囲気は察せられます。
わきあいあいと俳句を楽しまれていることでしょう。
18人とは盛況ですね。
欠席投句が最高点句になって、皆それをよしとしているのですね。
句会で、その場にいない人の句を褒めても貶しても虚しいと思いますが。
しかも句は胸を張りすぎていて俳味に欠けます。
高点句を見れば、その句会のカラーが分かります。
つくづく、俳句とは何かを考えさせられます。
※05.10.9の「俳ラ12」のポスターとウエブ頁を作りました。
HPアドレスをクリックしてみて下さい。