2005年10月10日(月・祝)午後3時開始
場所 新宿 サムライ
参加者 りかちゃん、二健、市原正直(なかむら句会世話人)、キムテツ
各自2句出句(りかちゃんが3句) 特選1句◎(2点) 並選2句(1点)
1 掃除機を元に戻して秋しぐれ 市◎
2 招き猫爪とぎもあり神無月 リキ
3 てのひらに五感のはえる曼珠沙華 リ◎
4 コスモスに首をふられた朝だった 市
5 気づいた宵よ稲刈りリカねいよいよ大好き 二◎
6 長い夜野菊の如く咲き誇れ キ◎二
7 指止まる青のネイルのトンボ尽き 市キ
8 すすき擦れ傾ける耳涙伝う 二
9 リカ愛蒔くよし夜食舞い上がり リ
零点句なしで、みごとに点がばらけました。
まずは3点句の6から。
二「スローガン的、命令調。それも一つの「切れ」」
市「季重ね(「長い夜」「野菊」)のこれを特選にしているようではいけないよ(^.^) 比喩も、常套的」
キ「すみません。読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋。半分終わった秋ながら、何でもできるいい季節、秋の夜長に期待を持たせる、いい感じの句と思い^^;」
リ「夜は、暗いイメージで。しかも長いから」
キ「なるほど、そういう解釈もありか。で、野菊のごとき君なりき、とか、野菊の墓、も思い出した」
で、作者はリカちゃん。
次に2点句の1。
市「手慣れた感じ。終わって、収穫、か」
キ「掃除をしない人間なので、ピンと来ない^^;」
二「うるさい掃除機の電源を切ったら、秋時雨が聞こえてきた、ってこと。パソコンの電源切って秋の暮れ、とかのほうが、わかるってことかな」
で、作者は二健さん。
次は2。
リ「つかみどころのなさの雰囲気、とでも言うか……」
キ「猫に餌付けの経験は少しはあります。爪とぎの跡も見たことがあります。招き猫が爪とぎはしないわな、と思いつつも、何だかほほえましく。
で、「招き猫」と「神無月」は入れ替え可能で、不安定かな(^.^)」
二「動詞も連体形に変えて、神無月爪とぎもある招き猫、のほうがいいかな」
で、作者は市原さん(個人的には、読みが外れた)。
次は3。
リ「曼珠沙華の赤い花のイメージがドンピシャリの句ですね」
キ「植物は苦手で、実感が湧かない^^;」
二「五本指のイメージからすると、五感が説明的で」
キ「その語を出さずに、それを想像できるといい、ということかな」
で、作者は市原さん。
次は5。
二「短歌より長くて、女性を題材にバカバカしい俳句を詠んでいた、橋本夢道を思わせる句。回文だけど、あえて採りました」
キ「完全に零点を覚悟してきましたが^^;」
市「前半の格調の高さにくらべて、後半は口語的すぎ」
キ「今回の目標は、まず季語を入れること。
で、女性名読み込みになったのは偶然。季語の「稲刈り」をひっくり返したら、入ってたから」
ということで、作者はキムテツ。
次は7。
市「赤でなく青のネイル、これがいい」
リ「青だとブルーな気分ですね」
二「動詞が多いね。最後の「尽き」は「着き」かな。かな書きがいいようなきがするけど。伝統俳句なら、それこそ詠嘆の「かな」にしちゃうのかな。
で、指「に」止まる、とか、字余りでも略さないほうがいい」
キ「指「が」止まる、とも思われる」
リ「指「も」止まる、なので」
二「なら、なおさら略さないほうがいいかな」
で、作者はリカちゃん。
次に1点句の4。
市「揺れ具合がいい。すなおでかわいい」
二「朗読用かな」
キ「首を振ってた、では平凡だが、袖を振ってた、ほうがいいようにも思い、採らず」
で、作者は二健さん。
市「もう、二健さんのしか、まっとうじゃないから採れないよ(笑)」
次に8。
二「動詞多すぎ。特に最後のは、いらない。あと、感情は隠すように。短歌になっちゃうから」
キ「涙かな、だとOK?」
二「それも状況からしてわかるから」
市「短歌の「甘さ」が出ている感じ」
二「すすき擦れ、あたりは頭韻でいい感じ」
キ「そのあたり、何となく擬音語的でいい」
二「さっきの「朝だった」という口語の過去形。これがここの下五に使えますね。著作権もないか(^.^)」
で、作者はリカちゃん。
最後に9。
リ「「リカ」が入っている二つの句で、こちらのほうがいい感じです」
二「パソコンの iMac じゃなくて?」
市「「夜食舞い上がり」はいい言葉選びなのに、前半がぶち壊し(^.^)」
キ「回文なので^^;
五七五にも近くしました。これも季語を入れました。季語をひっくり返しても女性名はなかったけど、作ってるうちにたまたま(^.^)」
ということで、作者はキムテツ。
時間があったので、即吟各自1句。
1 ケータイで一句したたため秋じめり
2 風の音髪乱れつつ空を見上げた
3 賞味期限切れそうな秋しぐれ
4 未知なぜか長屋は爽やかな風なじみ
1から。
市「二物配合はうまいが、軽いあいさつ句という感じ」
二「携帯電話、に、ケータイ、とルビをつけないと、伝統俳句からは受け入れられないだろう(^.^)」
キ「小生も、句作はケータイでです^^;」
で、作者は二健さん。
次は2。
二「動詞が多い!^^;
で、「風」があれば、「音」もわかるし、そこで「髪」なら、「乱れ」もする。よけいな語は取ろう。
下五も、まだしも「見上げた空」かな」
で、作者はリカちゃん。
そして3。
二「川柳的。でも川柳なら、「切れそうな」でなく「切れた」と言いそうだ」
キ「川柳になると、ストレートで深みがない。柳会でも、選者だけが選びっぱなし」
で、作者は市原さん。
キ「こういう句が、むしろ市原さん的ですね(^.^)」
最後の4は、自動的にキムテツ。
市「「未知なぜか」なんてつけないこと!(^.^)」
キ「回文なんで^^;」
リ「短い時間で、よく回文になりますね」
キ「先月、橋本夢道の表札を見てきた際に感じたことを句にしました」
すでにお酒も出回り、有季で俳句を作らなくても、歳時記に親しむことの有用性が語られました。
天狗俳諧を今度はやってみるか、の話も。
上五、中七、下五をばらばらに短冊に書いて、シャッフルして1句にするというものです。
二「ラインマーカーで、目をつぶってマーキングした3語で、俳句を自分一人で作ることも可能かな?」
市「自分で句作する際に、天狗俳諧を目指したら?(^.^)」
それができないんだってば^^;
次回は、芝居明けに、リカちゃんが仲間をたくさん呼んできてくれるとのことです。
なおいっそうの充実に期待!(^.^)